校正の難しさ

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昨日書いたパルスオキシメータもそうだが、機器の校正は難しい。
某社では民生用の終端形高周波電力計を作っていたのだが、その校正も色々と面倒なものだった。
標準パワー計としてバレッタやサーミスタ、或いはダイオードの高周波電力計があるが、高電力は計測できない。
そこでアッテネータを付けるのだが、アッテネータの減衰量を正確に測らなくてはいけない。
0.5dB、0.5という数字からするとなんとなく正確な感じを受けるが、0.5dBの狂いは12.2%の狂いだ。
比較的大電力が正確に計測できる機器としてカロリーメータがあるのだが、当時のものはいささか使いにくかった。

そこでカロリーメータで校正した二次標準として、バードの通過型電力計を使っていた。
温度などによる誤差も起きるので、構成や管理の手間があった。
終端形パワー計もダイオード検波なので、これも温度の影響を受ける。
それでも絶対精度で±10%位には入っていてと思う。
計測用送信機の電力を一定に出来れば良いのだが、数百ワットのパワー源なので出力精度は余り良くなかった。

精度良く校正できるものにFMのデビエーション(周波数変位)がある。
特定の変調周波数を特定のデビエーションで変調すると、キャリアのヌル点が現れる。
これをスペアナで観測する事によって、正確なデビエーションを計測する事が出来る。
デビエーションメータがなくても、オーディオゼネレータとスペアナ(高分解能のものが必要)があれば、FM変調器の調整が出来る。

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