また湧水を大井川に戻すと、大井川上流部の水温が10℃ほど高くなるとした。
理由は地下水の温度が(地熱の影響で)高い事、ポンプなどでの発熱が加わるためで、湧水の実測温度は16℃〜21℃となっている。
冬場の川の水温は実測2℃であり、10℃の上昇は大きい。
JR東海は空冷するとか、雪を混ぜるなどの対策を考えているというが、いったいどれだけの雪が必要になるのか。
また濁度に関して、現在の浮遊物質量は2mg/l程度と少ない。
湧水を環境基準ギリギリまで浄化(沈殿)させるなどしたとしても、これを大井川に流すと16.3mg/lまで悪化する。
こうしたデータが出てきたのは今月14日の事なのだが、環境影響調査で分からなかったのだろうか。
工事を進める段階になって環境に対する影響が示されるのは、環境影響調査が正しく行われなかった事になる。
残土処理も問題になっている。
JRでは静岡市葵区の燕沢(つばくろさわ)など6箇所に捨てると言っているのだが、川勝知事はその場所は深層崩壊の可能性があるので不適だとした。
この場所は大井川のすぐ横になり、木などが生えていない地帯だ。
木が生えていないのは過去に土砂崩れなどが起きたためだという。
JRはこの平坦地など6箇所に370万立米の残土を積み上げる計画だ。
残土の中には環境基準を超える物質を含んだものもあるそうで、これを要対策土という。
JRは当初この要対策土を別の場所に捨てる予定としていたが、熱海の残土崩壊事故によって制定された条例により、要対策土を捨てる事が出来なくなった。
条例では例外も認められるのだが、県の判断としてトンネル残土は例外には該当しないとしている。
熱海の事件以来残土に神経質になっている事もあり、沢に残土を捨てると流出の可能性が否定できないとして反対意見がある。
残土問題は他県に於いても問題化していて、JR東海は要対策土を捨てる場所には地下水へ有害物質が流出しないようにシートを敷くと言っている。
しかし岐阜県御嵩町は、この提案を受け入れていない(昨年夏の状況)。
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