太陽光発電もこれと同じではないのか。
和気閑谷高校の生徒さんは、「太陽光パネルの廃棄について、(資源エネルギー庁のデータによれば)2036年ごろには17〜28万トンの大量廃棄が予測されているようで、現在のリサイクル技術や状況で、環境保全に対する議論は十分に進められていると思いますか」と質問した。
これに対して環境文化保健福祉委員会/市村仁 委員長は「(略)どうしても進めなくてはいけない状況下に日本はなったということ(略)」と答えた。
現在の太陽電池板はリサイクルが難しい。
アルミのフレームを外す位は出来るにしても、ガラスやシリコンと少量の有毒物質は処理方法が確定していない。
例えば鉛の含有量は200mg/kg位なので、20万トンの廃パネルでは40t位になる。
ソーラーフロンティアのみはCISパネルなのでセレンなどの含有量が多い。
含有量や自然溶出量は環境基準を大きく上回るものではないが、廃パネルの総量が多いので焼却などによる気中拡散はある。
余談だが有鉛ガソリンのアルキル鉛濃度は0.1mg/kg程度だった。
現状でのリサイクルは、パネルのガラスを分離するのもコスト的に難しく、砕いて埋める位しかない。
ガラスから太陽電池セルを外す装置の開発も行われているようだが、長期間の使用に耐える強固な接着がされているため、分離したガラスのリサイクルも難しく土木材料程度の利用しか出来ないという。
高レベル放射性廃棄物のガラス固体化用原料には使えないのかな。
リサイクルの難しさはハイブリッド車やEVのバッテリーに関しても同様で、リサイクル工程に回さずに不法投棄される或いは粉砕されて埋められる例も多い。
家庭用太陽電池板の場合は不法投棄するわけにはいかないので、産廃業者に引き取って貰うことになる。
解体と処理費用は、一般家庭用で20万円〜30万円だそうだ。
ただ一般的にはパネルを外した後に屋根の補修が必要となり、その費用を含めると高額になる。
問題はメガソーラで、中国や韓国の事業者はそのまま放置して逃げる事が懸念される。
廃棄費用の積立金制度があり、産業用でも家庭用でもこれが適用される。
10MWの発電所の積立金は解体が想定される20年後までに7千万円位貯まることになるが、実解体費の1割にも満たないのではないだろうか。
平地ならともかく、山間部のメガソーラーは簡単には解体ができない。
パネルを外しただけで放置すれば、土砂崩れが起きる。
例えば再エネ賦課金にしても、経産省の予想した価格の3倍にも膨れ上がっていて、2030年頃まで上昇し続ける。
経産省にしても国交省にしても同じだが、自分たちの都合の良い予想値を作り予想が外れると「あくまでも予想であり現実とは異なる」という。
今後放置されたメガソーラの行政による撤去と環境保全が行われれば、その分の費用も電気代に上乗せされるだろう。
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