ロボットは山を上るのか

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ソフトバンクの4足ロボットが山を上るという記事である。
確かに野生動物は相当な急斜面も上る。
この山には鹿が沢山いるのだが、およそ人間が上れないような急斜面をぴょんぴょんと駆け上がっていく。
だから4足ロボットが良いのだというのは少し違うように思える。
理由はエネルギ利用効率だ。
電力の供給に限りのある現場で、バッテリー駆動のものは使いにくい。
中華犬型ロボットはペイロードが5kgで動作時間は1時間程度(平坦地の場合)だという。

急斜面を上らせたら20分でバッテリー切れとか、雨が降ったら防水シートで包まなければいけないとか、犬型ロボットを売りたい気持ちは伝わってくるが、課題は多い。

この記事の中で面白いのは以下の文だ。
「「5G回線の特徴である低遅延や広い帯域」が今回のスマート林業には過大なスペックであるとし、まずは通信環境を構築するということに焦点を当てた実証実験を行うとした。」
ようするに圏外だから使えないよということである。
低遅延はラジコン操作に於いて重要だと思うのだが、ソフトバンクの見解は異なる。
5GのみではなくLTEもつながらないところが多く、結果として「長距離Wi-FiやプライベートLTE「sXGP」による通信環境の改善を図る。」との記述になっている。

農業のIT化みたいな話は以前からあるものの、コストがネックとなっている。
温室栽培のセンシングシステムだけで1千万円以上、自動制御となれば更に金がかかる。
林業でも同じで、ロボット犬を導入するのなら小型のクローラキャリアの方がお得、みたいな。
ソフトバンクとなれば犬代の他に月額費用も取るだろうし、これではPepper君の二の舞だ。

クローラキャリアの自動運転、例えば先頭のクローラキャリアを人間が運転して現場まで行くと、後続のクローラキャリアは位置や速度を記憶しながらそれに続く。
あとはその情報を元に、勝手に往復してくれるような制御なら実現性がある。
山の中に基本的に人はいないので事故は起きにくく、大声を出せばいかなる時でも停止する制御を組み込んでも良い。

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