ミリ波帯基地局問題

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5G用のミリ波帯基地局が邪魔だという話である。
ミリ波帯用の基地局はアンテナ一体型になっているために、屋内設置ではその大きさが目立つ。
アンテナと無線部を別の筐体にすると、その間をケーブルで接続しなければならずに損失が増える。
30GHz前後の周波数に於ける損失は、超高周波用同軸ケーブルで1dB/m程度、導波管でその半分くらいになる。
更には位相アレイになっていたりすると、そもそもケーブル接続する事が難しい。
ケーブルコネクタの締め具合などで位相が変わる。
SMAなどの同軸コネクタはトルクレンチで締めるのが正しくて、専用のトルクレンチもある。
まあそんなわけでアンテナ一体型無線部の小型化、或いは天井埋め込み型が出来るまでは、不格好な箱が天井からぶら下がるようなスタイルになる。
商業施設などの天井に設置された5G基地局は、品物の運搬時に邪魔になるとか見栄えが悪いと評判が悪い。

基地局の無線設備は法で定められた定期検査(自動車で言う車検のようなもの、現行法では5年ごと)の対象だ。
従ってアンテナ一体型基地局の場合でも、測定用のコネクタを出しておく必要がある。
これに関してはアンテナ一体型基地局のあり方など、検討の対象になっている。

30GHzに於ける1波長は1cmであり、ミリ波と言うよりはセンチ波だ。
計測器メーカなどではセンチ波と呼んでいるが、総務省ではマイクロ波の上をミリ波と呼ぶ。
ミリ波の下(周波数が低い部分)を準ミリ波、ミリ波の上をサブミリ波と呼ぶ事もある。
マイクロ波と呼ばれる帯域がセンチ波なのだが、センチ波という呼び方は余り使われていない。

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この記事へのコメント

  • 安芸区の飛び丸

    アメリカの空港周りでは別の意味で5Gの基地局が問題になったようですね。5Gのミリ波が航空機の電波高度計?の周波数に近接していて航空機の視界不良時の着陸における安全が保証されないので空港周辺の5Gの運用を、しばし延期するとか。
    2022年01月20日 06:38