水酸化カルシウムは水には余り溶けないが、それでも少しずつ溶けて減っていく。
500gの試薬を買ったのだが、それを使い切った。
水酸化カルシウムは100mlの水に126mgしか溶けないので、500g分と言う事は約400リットルの水が補充された(蒸発した)事になる。
期間は4年くらいだ。
今入れた水酸化カルシウムが全部溶けるのには半年以上かかるだろうから、その頃に又買わなくては。
工業用の試薬は純度が保証されていて、これは500gで1.5千円くらいだったと思う。
純度表示のない食品用のものも千円くらいするので、出来れば試薬を買った方が良い。
畑にまく消石灰は20kgで千円くらいだが、不純物が3割くらい混ざっているので水槽用には使えない。
水酸化カルシウム溶液を添加すると部分的にpHが上昇する。
カルクワッサを添加した周囲の海水のpHが9〜11位で、炭酸カルシウムが出来るのでKHが低下する。
この炭酸カルシウムはリン酸を吸収(結合)しやすく(なので、リン酸値が高いとサンゴの骨格形成が阻害される)、リン酸塩濃度を下げる働きもある。
ただし水酸化カルシウム溶液はすぐに水槽水に混じってpHが下がるので、リン酸塩がガンガン減るという風にはならない。
横浜時代はpHの低下に悩んだので、水酸化カルシウムや水酸化マグネシウムの添加を行っていた。
それでもpHが7台に下がる事もあり、水酸化ナトリウムを入れたりもした。
現在はpHが8.3前後に維持出来ている。
天然海水を使い始めた頃はpHが下がり気味(KHが低いのですぐにpHが下がってくる)だったが、今は上手くバランスしている。
KHを上げるために炭酸水素ナトリウムを添加した事もあったが、今は行っていない。
カルシウムリアクタには2ndステージも付けてあるので、これによるpH降下は余りない。
カルクワッサーは二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムになる。
小学生の理科の実験で、消石灰水溶液の上澄みに息を吹き込むと白く濁る実験をしたと思う。
カルクワッサーを作り置きすると、大気中の二酸化炭素と反応してしまう。
なのでカルクワッサーは新鮮なうちに、スキマーの吸水口付近に添加するのが良い。
スキマーの吸水口付近は流速が早いので部分的な高pH状態がおきにくい事、炭酸カルシウムやリン酸カルシウムをスキマーで回収しやすい事が理由だ。
横浜時代はペットボトルで、今は洗浄瓶を使ってカルクワッサーを作っている。
ガス抜きバルブ付きの洗浄瓶の、水が出るパイプからRO/DI水を注入し、ガス抜きバルブ部分を外してそこからカルクワッサーを取り出す。
洗浄瓶には全容量の1/3位の水酸化カルシウムを入れておく。
通常の蒸発水の補充程度の量であれば、出来た上澄み部分がガス抜きバルブ部分から出てくる。
写真は水酸化カルシウムを補充したばかりで、未だ水が入っていない状態だ。
水が入ると水酸化カルシウムは下に沈殿して、上澄みがガス抜きバルブから出てくる。
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