自衛隊の食事は質素

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栄養バランスは考えられているのだと思うが、いかにも質素な自衛隊の食事(写真は空自の夕食)である。
栄養バランスだけで言えば病院の食事だって悪くはない。
しかし病院食を美味しいと感じる人は少ないはずだ。
高級レストラン並みというのは難しいにしても、民間企業の社員食堂くらいのメニューであっても良いと思う。
日頃の訓練にしても災害派遣などにしても、相当な労働であり消費エネルギも多い。

厚労省のコロナ対応に文句を言う人はいると思うが、自衛隊の災害派遣にクレームを付ける人は少ないはずだ。
反自衛隊派の気持ちを考えると、労働環境の改善が難しいのも理解は出来る。
しかし食事は大切だ。

日本の公務員社会の構造は、まさしく格差で出来ている。
階級や役職が全てなわけで、末端の労働者は虐げられていると言っても良い。
特に肉体労働で危険の伴う消防だとか自衛隊はそれが顕著だ。

自衛隊のあり方そのものに反対するのと、労働者の食事の問題は別である。
確かに食費を現在の2倍にすると自衛隊の予算は大幅に増えてしまうだろうが、労働環境の改善は必要だ。
現在の1日の食事代は850円だそうだが、これって都内のサラリーマンの昼食代くらいではないのか。
単純に3で割ると1食あたりは283円なのだから、コンビニおにぎり2個分くらいだ。

サラリーマンの買う弁当の平均価格は560円くらいだそうで、これに飲み物を付けると650円くらいになる。
ちなみに2009年時点では440円だったそうだが、2009年時点に於いてもコンビニ弁当の苦戦(弁当屋に客を取られる現状)が指摘されていた。
サラリーマンは自分の財布から食事代を出しているよと言えばそうだが、自衛隊員でも通勤している人は自分の好きなものが食べられる。

自衛隊員は駐屯地での寮生活が基本らしいので、実質的拘束時間は長い。
寮と言ったって大部屋にスチールベッドが並んだような、病院の部屋みたいな所だそうだ。
ただし市ヶ谷駐屯地は近代的だそうだけれど。

全てを改善するのは難しいにしても、せめて食事くらいは何とかならないのかなと思う。
寮にしたって昭和のスポ根アニメの世界じゃないんだから、もう少し快適さを追求して欲しい。
過酷な環境に耐えるのが偉いみたいな、もうそんな時代ではない。

自衛隊食が価格の割に質素なのは、納入価格とか納入業者に関する規定が色々あるからではないだろうか。
まあ利権と言ってしまえばそうなのだが、民間の仕入れルートとはだいぶ違う。
防衛省認定という概念が食料にあるのかどうかは不明だが、機器類の納入では防衛省認定のプレートが最も高額な部品代だなんて言われた。

中央省庁の役人の給料を下げろというと、給料を下げると優秀な人材が集まらなくなるという。
その理屈で行くならば、末端の待遇も少しは改善しても良いような気がする。
以前にも書いたが、私は昔は自衛隊は不要だと思っていた。
戦争をしないのであれば日本は何もすることはなく、安保協定だけで良いのではないかと。
しかし中国は着実に力を強め、近隣諸国に影響を及ぼすようになってきた。
こうなると、要不要の話ではなく(話が通じない国があるのが残念ではあるが)自己防衛しか手段がない。

更には毎年のようにどこかで起きる災害、自衛隊は他国からの脅威のみではなく自然災害や大きな事故でも出動する。
今年は熱海で大規模な災害が起き、毎日のように自衛隊員の働く姿が映し出されたこともあるのだが、もし自衛隊という存在自体がなかったら復旧はどうなっていたのかと思う。

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